トレーナーの太田です。
まだまだ、糖質制限ダイエット、低炭水化物ダイエットなど様々な名前で呼ばれる糖質や炭水化物の摂取を制限するダイエットは流行っていると思います。
しかし、これらのダイエット理論の中で悪者とされる糖質・炭水化物は、実は身体にとって一番といっても過言ではないほど、とても重要な栄養素なんです。
まず、糖質制限が何故、痩せるかというと、人間の身体は糖を摂取すると、血糖値が上昇します。
しかし、人間の身体には、恒常性(ホメオスタシス)という、血圧、体温など、元々ある身体の状態を保とうとする機能が備わっています。その機能があるので、血糖値が上がれば、下げようとします。
そのときに分泌されるホルモンがインシュリンです。インシュリンが分泌されることによって、血糖値は下がり、平常値に保たれます。
血糖値が急激に上がって、急激に下がるような食べ物を摂ってしまうと、インシュリンは大量に分泌されます。
このインシュリンという成分は、血糖値を下げるという作用のほかに、主に2つの作用があります。
○脂肪を溜め込む
○栄養を身体に届ける
血糖値の上下が緩やかな物と比べ、上下が激しい物のほうが、インシュリンの分泌量は圧倒的に多く分泌されます。つまり、それだけ多くの脂肪を溜め込みやすいということです。
なので、インシュリンが分泌されないことで、脂肪を溜め込むことが防げるので、結果、痩せることができます。
その他に、糖質は身体に吸収される際に、水分とくっついて吸収されるので、糖質が身体からなくなることで、水分は身体から排出されます。
水分が身体から排出されることで、体重の減少しますので、一見、数値上はすぐに効果が出て、痩せたと感じるかもしれません。しかし、身体から水分が抜けただけであって、脂肪が減ったわけではありません。
主に、こういった効果から、糖質制限はダイエットに効果的だといまれます。
前述で説明したように、糖質・炭水化物を極端に減らすと短期間でかなりの体重が落ちます。
つまり、数値や外見など目に見える変化のスピードが速いというのが、流行している一つの理由です。
また、糖質を多く含む食品は、主食と呼ばれるご飯やパン・麺類にあたり、食事の中で最も多い量を食べています。
そのため量を減らしやすい食品であるということも理由の一つではないかと思います。
糖質制限ダイエットの減量効果は、糖尿病の患者をはじめ様々な症例から実証されています。
ただし、これらは治療目的で行われており、健康な方が医師や管理栄養士のサポートなしに自己流の糖質制限ダイエットを安易に取り入れることは、身体へのダメージを考えるとお勧めすることはできません。
自己流で危険な糖質制限を行っている方には、大きく2つの傾向が見られます。
1つは減量を意識しすぎて糖質だけでなく食事量全体を減らしてしまい、摂取カロリーを極端に減らしすぎてしまっているケース。
もう一つは、糖質以外なら何でも食べたいだけ食べてよいと間違ったとらえ方をして、逆にたんぱく質や脂質を摂りすぎることによる摂取カロリーオーバーとなっているケースです。
インターネット上を探せば、いかに糖質制限ダイエットが素晴らしいのかという理論や効果に関する情報はたくさん入手できますが、実際に自分の身体にはどの程度の糖質制限が必要で、どの食材をどのぐらいの量で、どう食べればよいのか、といった具体的な食生活に反映した情報が少なく、必要な情報がなく混乱した状態に陥っているように感じます。
また、糖質はたくさん入っているがビタミンなどの栄養が豊富な野菜類まで制限しているにもかかわらず、エンプティー・カロリー(体に必要な栄養成分はほとんど含まれていないのに、カロリーは高い)と呼ばれるお酒はウイスキー・ブランデーなら普段と同じ量を飲んでも構わないとしている理論もあり、何を目的にこのダイエットを取り入れているのかわからないものもあります。
さらに、食事量全体を減らしているケースでは、このダイエットを長期間続けることによって、摂食障害へと発展する可能性が高くなり、特に注意が必要です。
”健康”を意識するのであれば、糖質よりやめるべきものはほかにいくらでもあります。
アルコール、砂糖、小麦粉、乳製品、遺伝子組み換え、農薬、酸化防止剤などなど。
これらを適当に扱っておきながら糖質のみカットして痩せたとか痩せないとか・・・。
本来の健康は”痩せる”ことがゴールではないですよね。
本当の健康とは何か改めて考える必要がありますね。
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